
教育界に10年以上、子育て3年目のママが感じた、子育ての時に注意すべきポイントを5つにまとめてみました。(最近、知識と意識、経験が一つに繋がってきた感覚を抱いています)
もくじ
子どもをダメにする育児とは?
そもそも、「子どもをダメにする育児」の『ダメ』とはどういう状態なのでしょうか?
チクタクチクタク…
さあ、どんな状態か思い浮かびましたか?
答えは、そう、今あなたが思い浮かべた状態です。え?と思った人、正解を求めていた人がそう思うのは当然です。でも、「ダメ」は親によって異なります。
勉強ができない、人前でうまく話せない、部屋を片付けられない、いつも反抗ばかりしている…いろんな状態がありますよね。
親にとっての「ダメ」が明確になれば、そうならない育児をすればよいだけです。
レオぽん家の場合は、「20歳を過ぎてから自分で考えて、決断して、行動できない状態になること」を「こどもをダメにする」としています。
子育てのゴールを我が家では成人したときと考えているので、「20歳になったときに、自分で考えて、決断して、行動できる人間」に育ったと感じたとき、「子育てがおわった、子育てに成功した」状態になります。
そして、20歳になった子どもが「自分で考えて、決断して、行動できる人間」になるため、将来を見据えた子育てを意識して行っています。
ゴールを決めるメリットは?
子育てをしていると、どうしても今、目の前にいる子どもの状態に振り回されてしまいがちです。しかし、ゴールを決めることで、現在の状況に、過度に反応しなくて済むようになります。
そして、一見、マイナスに思えるようなことが、実は未来につながることだと気づきます。(例…反抗期の子どもに今は手を焼いているが、反抗は、自立心が育ってきた証拠ととらえることができるようになります)
実際、教育界に15年以上いて多くの子供たち、親御さんを見てきた中で、ゴールを決める効果を体感してきました。
教育関係者のママが考える『子どもをダメにする育児』とは?
①過干渉
口を出しすぎる親。心配しすぎる親。
ヘリコプターペアレント(ヘリコプターのように、監視するがごとく子どもの周りをチェックする親のこと)も過干渉の一種ですね。
過度に干渉すると、自分の意見を言えなくなって、何も考えられない子どもになるか、自分の意見を親には言わずに、アドバイスにも耳を貸さなくなる子どもになるか、が多いです。
高校卒業時の18歳を過ぎた段階で、過干渉の親御さんと子どもとの関係がうまくいっているという話は聞きません。「おかあさんがあのときこう言ったから…」と選択の責任を押し付けられるか、「うざい~」と邪険にされる道、どちらになるでしょうか。
心配するあまり、先回りしてあれやこれやと注意しすぎるより、子どもが失敗する姿も、どんと構えて見守ろう、というスタンスの方が、親子関係も良好なケースが多かったです。
②子どもの意見を聞かない
どんなに小さな子どもでも、自分の意見、思いを持っています。思いを伝えるすべがない子どもでさえ。うまく言葉で伝えられない子は、泣いて、泣いて、泣いて訴えます。
幼少期に意見を聞いてもらえなかった場合、多くの子どもは意見を伝えることをあきらめてしまいます。時期でいうと、小学校低学年までがボーダーラインのようです。これ以降になると、諦めを知るので、聞いてくれない相手には、伝えなくなっていきます。
中学生になって、突然、「で、あなたはどう考えているの?」と聞かれても、自分の思いを伝えても聞いてもらえる安心感がないので、本音を話してくれるケースは極めて少ないです。
0歳のころから、「どっち?」「何にする?」と簡単な意思伝達である、『選ぶ』ことから始め、成長に応じて、「どう考えているのか」「どうしてそう思ったのか」を伝える練習を促すことで、親子の信頼の根底を築きましょう。
③意見、態度をコロコロ変える
立場の変化によって、意見や態度を変えなければならない場合もありますが(本音と建て前…的な)、基本的には、親は一貫した姿勢を子どもに示すことが必須です。
親の言葉が頻繁に変わってしまうと、子どもは、何が正しいのかが分からなくなってしまいます。親の方針がぶれると、子ども自身の考えが育たなくなってしまうのです。
また、相手によって意見、態度を変えていると、子どもも真似するようになります。そして、親の態度から相手との上下関係を察知して、必要以上に相手を立てることもあれば、見下すことさえあります。常に親のスタンスを見ながら行動して、相手を馬鹿にしたり、必要以上にへりくだったりする子どもになってしまいます。

もし、自分の考えが変わった時は、しっかりとその経緯や理由を子どもにも伝えていくことが大切です。自分が間違っていた、勘違いしていたことがあれば、ごまかすことなく訂正して、謝りもします。(仰々しいものではなく、「ごめんね、~だったね。お母さんの勘違いだったよ。」といった、日常会話でよく見る場面を想定してみてくださいね。)
子どもの前で誠実であることが、子どもの誠実さを育んでゆきます。
④親自身が我慢して、ストレスを感じている
何を我慢しているかはそれぞれですが、9割方、人間関係に不満を抱きつつも我慢してストレスを感じ、子育てに影響を与えているケースが多かったです。
人間関係は主に2パターンに分かれます。
①夫婦関係がうまくいっていないことによるストレス
夫婦関係が冷え込んでいたり、母親が父親に物言えない立場で我慢している場合。家庭内において適切なコミュニケーションがとられていないことを子どもは敏感に察知します。また、会話不足、または会話が一方的といったコミュニケーションスタイルが日常となっているので、家族以外の人と人間関係を築くときにトラブルを起こす可能性が高まります。
②嫁姑関係や親せきづきあいがうまくいっていないケース
親自身に、うまくどこかにはけ口があればよいのですが、ストレスを出せるところもないと子どもに影響がでるケースが多いです。親のストレスを、子どもはストレートに無意識のうちに受けます。すると、親も子ども自身も気づかないうちに、いつのまにか子どもがストレスを抱えてしまいます。(子どもの年齢が低いほど、強く影響を受け、登校拒否を始めとした様々な悩みの種を引き起こします。)
子どもは、どんなに憎まれ口を叩いても最終的には自分の親が大好きです。大好きな分だけ親の心と子どもの心がリンクしてしまうのですよね。親自身がそのストレスとの向き合い方を変えることで、子どもが変わるケースも多くありました。
⑤親が子どもの可能性を信じていない
子どもにとって、一番身近な大人は「親」です。親が、子どもの可能性を否定していては、子どもは自分を信じることができなくなってしまいます。自己肯定感が低くなってしまうのです。
たとえば、1歳の子が歩こうとしたとき、「歩ける」と思って親が声掛けすると、子どもは「自信」を持って歩くことに挑戦します。(1歳の時点で、自分が転ぶ!と思って歩く子どもはいないですよね。本来、人間は「できる」と思って物事にトライするのです。)
受験やコンクール、大会でも、本人や周りが「できる」と信じて取り組んでいると、結果に繋がりやすいですよね。
「できる」に焦点を当てると、「できるようになるためにどうするか」を考えて行動するので、自然とできるようになるのです。
けれど、「できない」と鼻から考えてしまうと、「どうせできないから」「難しいから」と、「できない」理由ばかり作って、できるようになるための試行錯誤をしなくなります。
わかりやすい例でいうと、「どうせ勉強できないから…」と諦めていては、勉強に真剣に取り組まなくなるし、いくら勉強したとしても本気度が足りないから、無意識に手を抜いてしまう状態になります。(この場合はまずはスモールステップとして小さな目標を設定して達成感を味わうことが大切になりますね)
「できない」思考に陥ってしまうと、抜け出すのは時間もかかるし、大変な苦労を伴います。だからこそ、子どもにとって一番身近な大人である「親」が、子どものことを信じ、できるようになるべく声掛けをする(必要に応じてサポートも)ことで、「できる」思考を保ち続けられるのです。
子どもをつぶさないために親ができること(まとめ)
①子供に干渉しすぎず、見守るスタンス
②子どもの意見を聞く。幼少期から、子どもが自分の思いを伝えられるよう促す。
③一貫した姿勢を保ち、意見、態度をコロコロ変えない
④親がストレスを抱え込まない
⑤子どもの可能性を信じる(+適切な声掛けとサポート)
